もうお客様を取りこぼさない!「いますぐ見たい・遊びたい」を叶えるUI/UXとは?
課題
成果
後払いに馴染みがないデジタルコンテンツで決済手段を
DMM.comではDMMポイントを購入してサイト内でチャージし、有料コンテンツを利用できるようにしています。利用者が多いのはクレジットカードのほか、コンビニで購入できるプリペイドカードでしょうか。プリペイドカードを購入するには、それを販売している店舗に出向かなければいけません。ただ、都市部では徒歩圏内にコンビニはあっても、地方では自動車で数十分という距離に住んでいる方も多いはずです。そのため、そもそも「今すぐにこのコンテンツを観たい!」や「今すぐこのゲームで遊びたい!」というときに、一度外出しなければいけないとなると、販売機会の損失となり、ユーザビリティを損なってしまいます。
そこで、クレジットカードを持っていない方に向けて、後払い決済手段を検討しました。
後払い決済は物販のECサイトでは多く導入されていますが、デジタルコンテンツの領域で後払いサービスを実施するのは他社含め実績がなく、何社か後払いサービスを行っている企業に問い合わせてみたのですが、なかなか前向きな返答がいただけませんでした。そんななかPaidyさんに相談したところ、「やってみましょう」と前向きなお話をいただきました。社内で「どこまでPaidyが利用されるかは未知数だけれど……」と不安視する声もあったのですが、検討を重ねた結果、実装することになりました。
実装にあたっての開発は非常にスムーズでした。コミュニケーションツールを利用して、共通のチャンネルを立ち上げてPaidy側とDMM側のエンジニア同士で仕様書などのやり取りをリアルタイムに行えたのもよかったです。余談ですが、そのチャンネルはまだ生きていて現在でもPaidyとのキャンペーン企画やプロモーション内容を話し合う場として利用しています。
新しいサービスを導入した際には、導入後に何かしらのエラーやトラブルが起こるケースが多いのが実情です。例えば、データの不整合が発生したり、システムの接続がうまく行かず止まってしまったり……。ですが、今回導入事例のインタビューを受ける前に、弊社の決済担当エンジニアに「Paidyについて何か気になる点や、改善希望点はあるか」確認したのですが、改善要望は全くありませんでした。この点にPaidyの技術力の高さが現れているように思います。
Paidyの利用率は“想像以上”に高く、反響も大
そもそも後払いの決済サービスをDMM.com上で導入するのが初めてだったので、実はどの程度利用があるか不安なままスタートしました。失礼ながら、最悪のケースではあまり利用されないこともあるかもしれないと思っていました。導入から約1年、その利用率は全体の決済のなかで一定のシェアを取っています。やはり、「後払い決済のサービスはデジタルコンテンツでもニーズがある」と言えると思います。
懸念していたリスクの部分として、Paidy導入後に「Paidyにお金を振り込まない『未回収』の方が多ければサービスとして継続できないのでは……」という危惧もしていましたが、こちらも数値的には問題なく継続できています。Paidyさん側でお客様個人の与信を細かくコントロールしてくださっているのがよい結果をもたらしていると思います。
未回収リスクに備えるべく、Paidy導入当初は1回の決済上限額を3,000円と設定していました。決済状況を分析し、問題ないことが分かったのですぐ1か月後に上限を5,000円に引き上げ、2019年7月からは上限を10,000円に設定しています。オンラインゲームや動画などサービスによっても平均購入金額は異なりますが、DMM.com内で平均するとだいたい1回の決済あたりの平均購入金額4,000円程度です。当初の決済上限3,000円ではやはり少々足りなかったですね。我々がPDCAを回して仮説検証できるので、小刻みに上限金額を設定できるのもありがたいポイントです。
Paidyを使ってくださっているユーザー属性についてですが、オンラインゲームや動画を利用されている方が多いように見受けられます。導入から1年で5回ほどPaidy利用を促すキャンペーンも行っていますが、携帯キャリア決済からPaidyに移った方や、しばらく休眠していたユーザの方が、キャンペーンきっかけで再びゲームをご利用くださったりと、様々な効果を実感しています。現在は「初めてPaidyを利用する方向け」への訴求が中心ではありますが、弊社の方で、Paidyを紹介するメールをサービスごとにパーソナライズして送っているのも寄与しているかなと思います。
UI/UXの視点では、そもそもPaidyはメールアドレスと電話番号があるだけで決済ができるので、UI/UX的にも非常に優れていると思います。プリペイドカードは、購入後にその認証番号を入力する手間が発生してしまいます。その手間がないのはよいですよね。
DMM.comとしては、今後はグローバルでのサービス提供も加速させていきたいと考えています。Paidyも今後台湾でサービスを提供すると伺いました。コンテンツ提供と同時に現地の方に合わせた決済サービスの提供をしていかなければと思いますので、今後のPaidyとアジアでもジョイントできることを期待しています。
インタビュー実施:2019年7月