月額250円~の収納サービス Paidy導入で新規ユーザーの獲得
課題
成果
月額250円~の収納サービス、スマホで荷物管理が可能
スタンダードプランにはさまざまなオプションを付けることができます。例えば、衣服のクリーニングやハンガー保管、布団クリーニングといったものです。湿度、温度管理を24時間365日実施し保管させていただくので、家のクローゼットに置いておくよりも良い環境で保管することができます。また、ヤフオク!への出品代行もしているので、サマリーポケットに預けたアイテムの中で、「売りたいアイテム」がある場合、スタッフが代行して出品し、落札と配送まで行うことも可能です。
スタンダードプラン以外にも、写真を取らずボックスごと管理する「エコノミープラン」、書籍を預けるのに特化した「ブックスプラン」も提供しています。
首都圏ではどうしても賃貸住宅の間取りに制限があり、収納に困っている方は多いです。2015年9月にサービスを開始して以降、この収納に困っている方を中心に、ミニマリストや特定の住居に定住しないアドレスホッパーの方にも多く使っていただいておりました。しかしながら、Paidyを導入する前の決済手段はクレジットカードのみでした。2019年4月からTVCMを開始したのですが、開始するタイミングに合わせてクレジットカードを持っていない方にもお使いいただける、他の決済手段を導入することにしました。
口座振替やコンビニ決済はユーザビリティが不満だった
当初、Paidy以外のさまざまな決済手段を検討したのですが、ユーザー体験を考えたところ、どれも使い勝手が悪かったため、導入には至りませんでした。例えば、口座振替サービスはそもそもネットバンキングの口座を持ってることが前提のため、ネットバンキング口座がないと使えないものが多かったり、コンビニ決済も別途アカウントを作成してサインアップしなければいけなかったり……。キャリア決済については、そもそも決済手数料率が高かったため、候補には挙がりませんでした。
サマリーポケットは「箱を取り寄せて荷物を詰めて送るだけ」で保管ができることを売りにしているサービスであり、UI/UXには特にこだわっています。決済サービスを導入するにあたっても、なるべくユーザーの使い勝手は損ないたくないと考えていました。そんなときにネットで検索して出会ったのがPaidyでした。
Paidyは事前登録が必要なく、メールアドレスと携帯電話番号があれば利用できる後払い決済サービスで、支払いは翌月にまとめて、コンビニ払い、銀行振込、口座振替から選んで行います。当月や過去の請求額が閲覧できるアプリも実際に触ってみて使いやすいと感じました。
決済の手数料率が低く、開発コストが非常に抑えられたのもポイントでした。開発に関しても仕様書を公開しているのはとてもいいポイントですね。公開されているAPIもシンプルでわかりやすいものだったと思います。
結果、当初の予定通り、サマリーポケットがTVCMを始めた4月に同時にPaidyを導入しました。導入にあたっては、サマリーポケットのアプリの初回登録画面では、オリジナルキャラクターが一言コメントを寄せる演出をするなどしました。ビジネスチームとモバイルエンジニアやフロントエンジニア、デザイナーを含めた開発チームとで協力して、「ユーザーが実際に決済手段を選ぶ」にあたって「何が本質なのか」「いかにストレスなく使えるか」を考え抜いて実装しました。
約2割のユーザーがPaidyを支払手段に選ぶ
Paidyを導入した時期がTVCMの放映期間と被るので、一概に言えない部分もあるのですが……。Paidy導入によってユーザーの門戸を広げたと思っています。現在ではサマリーポケットをお使いいただいているユーザーの約2割が決済手段としてPaidyを使っていますね。Paidyの導入もあり、着実にサービスは伸びていると思います。
サマリーポケットの主なユーザーは25歳から40代の都市部にお住まいの方です。6対4で女性の比率が多めです。Paidy利用者に限っては7対3で女性が多い印象があります。一般的に女性は服やバッグ、靴など保有しているアイテムが多いので収納に課題を持っている方が多いのでしょうね。Paidyのユーザーは年齢層の若い女性が多いというのでその点もサマリーポケットにマッチした部分があると思います。
サマリーポケットは、春と秋の衣替えのシーズンに特に需要が伸びています。その期間にはクローゼットのなかの荷物を整理しますからね。時期に合わせたキャンペーンも今後積極的にしかけていきたいです。
アメリカのトランクルーム市場は4兆円と日本の50倍もの規模があり、現在も成長を続けています。対する国内のトランクルーム市場も、約800億円を超える規模になると言われています。これまでトランクルームというと、契約費が高く初期費用が必要だったり、さらに車がないと持ち込みが大変だったりしました。せっかく荷物を保管できてもその荷物が「どこに行ってしまったかわからない」ということもよく起こっていると聞きます。あまり万人に向けた収納問題を解決するサービスとしては一般的ではなかったと思います。
サマリーポケットは「荷物を預ける」というニーズを顕在化させつつ、日本の住宅事情を変えていく。そんな一助になれればと思っています。
インタビュー実施:2019年8月