ユーザーにとって心地よい購買体験を真摯に追及トレーディングカードであと払いを導入
課題
成果
古物商では取り扱いができなかった、後払い決済
オンラインカードショップは、もともと店舗を持っていたショップがECを始めたケースが多いのですが、当社はEC専業。もともと、オークションサイトに個人で出品を始めたところからスタートしています。この業界には珍しく、エンジニアやデザイナーも在籍しており、自社ECサイトはフルスクラッチで製作しているのが強みです。「ユーザーにとって心地よい購買体験は?」を真摯に考えて、ほかのECサイトで実装されているよいことを積極的に自社サービスにも採り入れてきました。
決済手段にはクレジットカードや代引き、銀行振込などを準備していましたが、ユーザーのことを考えたら「後払い決済も必要である」と思っていました。初めて利用するECサイトでは「信用できるサイトかどうか見極めたい」や「お金を先に払ったものの、本当に商品が届くのか不安……」という声も少なくありません。後払いサービスがあることで、その不安を払拭したいと思っていました。
ただ、後払いを検討していたものの古物商に対して提供ができるサービスベンダーがなく困っていたのです。たまたま、ネット通販ビジネスの展示会に視察に行ったときにPaidyの存在を知り、古物商取り扱いでもPaidyは導入可能と聞き、Paidyの導入を決めました。
Paidyのスムーズな使い勝手は◎
もともとフルスクラッチでサービスを作っていたので、仕様書をいただいてからPaidyを導入するまでは2週間程度で完了しました。
「後払い決済サービスのニーズはある」と考えていたものの、当時は「本当に使われるのかな?」と半信半疑でした。当時、2016年はメールでの認証が主で、SMSでの認証は少数派だったと思います。PaidyはSMS認証なのでその点が気になっていたのですが、特に問題はありませんでした。Paidy導入後、代引きのユーザーがPaidyにシフトしてきているように思います。
サイトの「ご利用ガイド」内には「Paidy翌月払い(コンビニ/銀行)のやり方」というページを作り、「メールアドレスと電話番号の確認」や「認証番号を入力する」などのステップをキャプチャ画面とともに記載をしています。Paidyに関して「使い方がわからないので教えて欲しい」という問い合わせがくると思っていたのですが、このページがよかったのか、「使い方がわからない」という問い合わせはほぼないですね。
一度Paidyで支払いをした方はリピート率も高い傾向にあります。自分でも実装するときにテストでPaidyを使ってみましたが、非常にスムーズで使い勝手がよい決済サービスだと実感しています。
ユーザーにとって心地よい購買体験を追い続ける
現在、トレーディングカードの業界規模は、一次流通で1,000億円ほど言われています。当社は現在年間売上8.6億円ほど、前年同月比で150%の伸びを記録しています。事業成長のカギは何だったかと問われると、やはりユーザーにとって心地よい体験につながる施策を愚直にやり続けてきたからだと思います。
小さなことではありますが例えば、郵送時の封筒において、この業界では無地の封筒で商品を送ることも珍しくないのですが、そのまま送ると大切なカードが折れ曲がったり傷がついたりすることもあります。弊社では、カードを傷つけない目的と商品が届いたときの高揚感を演出する目的で、独自の梱包封筒を用意してします。また非売品で独自のカードボックスを作り一定金額以上のお買い上げいただいたお客様には無料でプレゼントをしたりしています。意外と人気で「使い続けて古くなってしまったから替えを送ってほしい」や「どこで販売しているのか?」というお問い合わせをいただいています。
それから購買時の「カート」についても日々改善をしています。リピーターで購入されるお客さまにとっては送り先の住所や支払い方法などは一度入力したら基本的には変わらないもの。カート内に情報を保存してワンクリックで注文までできる仕様にしました。ほかのECサイトや通販のサイトを見てよいところは積極的に採り入れています。このような地道なサービス改善が功を奏して現在の事業成長につながっています。
現在、トレーディングカードの二次流通では同規模の会社が3社ほどあります。我々はここから頭一つ抜け出すために、今後も様々な施策を行っていきたいと考えています。一つはECアプリです。現在、サイトを訪問するユーザーはPCとスマホでは半々くらいの比率ですが、アプリまで含めたサービスを行えているカードショップはまだありません。2020年度中くらいにはリリースしたいですね。
そして、もう一つが海外への展開です。クールジャパンと言われるように、日本のコンテンツビジネスは海外でも人気です。カードゲームも外国語版がありますので、台湾や中国など海外のお客様から当社にご注文をいただくこともあります。Paidyも今後台湾に進出されるとのことで、我々のサービスも海外での展開も強化していきたいですね。当然国によって商慣習は変わるでしょうから、より現地に沿ったサービスを採用していきたいと考えています。
インタビュー実施:2019年8月